葬式の歴史

 葬儀は人が亡くなった時、その事実を受け止めるための儀式といえます。また、亡くなった人に対して敬意を表し、故人の死を悼み安らかにあの世へと 旅立つことを祈るための儀式でもあります。

 葬儀は宗教的な儀式であるため、宗教が登場したと同時に行われるようになったと考えられます。しかし文明が発生する以前に死者を弔う行為が行われていた形跡が存在します。 このことから、死者に対する敬意や死を悲しむという意識は文明が発生する以前から存在していたと思われます。

 その後文明の発展とともに宗教も登場し、葬儀も宗教の死生観に沿った形の儀式となっていきました。しかし近年では宗教という枠にとらわれず、自分らしい最後に重きを置くという 考えがでてくるようになってきました。宗教的な儀式に対して特にこだわりもなく、自分の好きだったものに囲まれて最後を迎えたい、あるいは葬儀そのものに意味を見出さずただ遺体を 火葬するだけでよいという考えもでてくるようになり、時代が進むと共に以前のような形の葬儀以外の新しい葬儀が登場するようになってきました。